―――――――――――――――――――― 『シャドウラン 5th Edition』FAQ (2019/10/15更新) ――――――――――――――――――――  一部の回答においては、「現状のルールでは不可能ですが、未訳のサプリメントでは~」という回答をする場合があります。こうした未訳のルールを使用したい場合には、必ずGMと他のプレイヤーの許可を取ってください。  また、疑問点があるものの、まだ正誤訂正が公式に行われていないものもあります。この場合、翻訳監修者としての意見を付記する場合がありますが、将来的に、変更される可能性があります。あらかじめ、ご理解ください。 ―――――――――――――――――――― 2019/10/15更新分 ―――――――――――――――――――― ◆キャラクター作成◆ ■能力値の強化と知識/言語技能ポイント [Q]キャラクター作成時にカルマで【魅力】や【論理力】などを上昇させた場合、知識技能やコンタクトに使用できるポイントは増加するのでしょうか。 [A]増えます。 ◆戦闘◆ ■動作 [Q]1回分の単純動作の代わりに簡易動作を取れますか? [A]SR5では、単純動作を使用して1回の簡易動作を行なうルールは廃止されました。p.163では「ゲームマスターは状況が妥当に思えるなら複数の簡易動作を許可することもあります(物を落としながら一言話す、など)」と書かれており、一度にどれだけの簡易動作を行なえるかはGMが判断します。  以前の版をプレイされた方は、「走りながらスマートガンのクリップを抜く」ことができなくなると聞 いて驚かれるかもしれません。もちろん、GMはそうした「かつてできたこと」を認めてかまいません。しかし、どこまでできるのかをいちいち判断させられることは、GMにとって大きな負担になり、ゲームの進行を阻害する場合があります。  大原則として、「1回の行動フェイズで攻撃に使える動作は1回だけ」(p.164「単純動作」参照)の約束事を守っている限り、簡易動作の組み合わせを認めても、認めなくても、一部の例外を除いて大きくゲーム・バランスが傾くことはありません(誤解のないように――多少の変動はあります)。  一部の例外とは、例えば以下のようなことです。 ●「一言話す」を2つ組み合わせて「二言話す」 ●ジャマーなど敵味方双方に影響のある機器をオフにしたあとで行動し、その後オンにする。 ●強化反射神経などのイニシアティブ・ダイスに影響する機器のオン/オフを無限に繰り返し、イニシアティブを増加させる。  つまり、特殊な事情がない限り、同じ種類の簡易動作を、ひとつの簡易動作で複数回繰り返すべきではありません。また、「射撃の前と後」のように、異なるタイミングでの簡易動作の組み合わせを認めるべきではありません。それぞれ異なる簡易動作で、かつ同じタイミングで一度に実行できるもの」なら簡易動作の組み合わせを(いくつでも)認めて構わないということになります。  『Run Faster』(未訳)には簡易動作を1回増やす資質「Perfect Time」が収録されており、同じ簡易動作や異なるタイミングでの簡易動作をしたい場合にはこれを取得するとよいでしょう。なお、原則として簡易動作の組み合わせを認めないとした場合、「Perfect Time」は非常に効果的な資質になり、PC全員が取得するようになるなどの弊害をもたらす場合があります。この場合は、古いルールを復活させて単純動作を簡易動作に変更できるようにしたり、簡易動作を組み合わせるたびにその行動フェイズでのダイスプールにペナルティを与えるなどとしてもよいでしょう。 [Q]簡易動作の「複数の敵を攻撃する」を選択して複雑動作で「近接武器をする」を選択した場合、1人の敵に対し複数回攻撃を行なう(例:DP30の場合に、DP10で1人に対し3回攻撃する)ことは可能でしょうか? [A]1回の攻撃で1人に対してできる攻撃は1回だけです。 [Q]p.164、2回の単純動作のうち「攻撃に使えるのは1回だけ」とありますが、攻撃に含まれるのはどのような動作ですか? [A]手榴弾を投げる、銃を撃つ、呪文を行使する、その他の物理的か精神的かに関わらず、また手段や形態を問わず、あらゆる攻撃的な行動が含まれます(『Shadowrun Missions FAQ ver 1.3』p.32) ■回復 [Q]自然回復に関して、p.206の精神ダメージ、身体ダメージのところで、それぞれ【強靭力】+【意志力】(1時間)の継続テスト、【強靭力】×2(1日)の継続テストと書かれていますが、p.48の継続テストのところではテストごとにDPが減っていき、0DPになったらテストが終了すると書かれています。  この場合、テストの結果によってはダメージを回復しきることができなくなりますが、それでよいのでしょうか? [A]はい。能力値と環境によっては自然治癒だけでは治らない可能性があることを示します。医者に行け! ということです。 [Q]応急処置、回復魔法は1つの負傷には1回しか使えないとあります。これはダメージを受けた時に何点ずつのダメージを受けたかを記録しておかなければいけないということでしょうか? [A]応急処置および魔法による治療はその負傷状況において1回しか使えません。何回攻撃されたかは関係ありません。その後、新たにダメージを受けたら、再度、応急処置や魔法による治療が行なえます。なお、誤解の源になりました「1つの負傷には1回」は「A Set of wouds」「Single set of wounds」の誤訳でした。「一連の負傷状況につき」と修正させていただきます。 [Q]回復中は休息していなければならないとありますが、維持収束具で呪文を維持した状態で休息することはできますか? また集中力で維持した場合、あるいは-2DPを受けて維持している場合についても同様に回復はできるのでしょうか。 [A]維持収束具、《固着術》の場合は自分の意志以外で呪文が固定されていますので、休息しても維持されますが、意識的に維持している場合は、「集中力」の資質の有無に関係なく、休息しているとはみなしません。 [Q]p.284にはドレインダメージは魔法や医療キットでは治せないとありますが、覚醒パッチによる「精神ダメージの取り除き」は可能でしょうか? また、もし可能だった場合、効果時間経過後の「+1S」ダメージ分については、魔法等による医療は可能でしょうか? [A]覚醒パッチはOKです。なお、+1Sも魔法等での治療は不可とするべきでしょう。 ◆マトリックス◆ ■IC [Q]パトロールIC以外のICは、攻撃以外に、マトリックス知覚を行なうことができるでしょうか? [A]マトリックス知覚は可能です。違法行為を行なっているユーザーを発見した場合、次のアクションで、定められた行動を行ないます。 [Q]パトロールICは「すべてのユーザーに対してマトリックス知覚を行なう」とP251にありますが、サイレント状態のアイコンの確認や探知は行なうのでしょうか? [A]行ないます。ホストレーティング×2で行なってください。 ◆魔法◆ ■錬金術調製物について  錬金術調製物は、その場で呪文行使が完結するのではなく、いったんアイテム化することで、様々な応用が可能ですが、その分、現状のルールテキストではカバーしきれていない部分もあります。これに関しては、魔法上級ルールブック『Street Grimoire』(翻訳予定)に「錬金術調製物に関する回答まとめ(SR5)」があるので、紹介します。 【錬金術調製物に関する回答まとめ(SR5)】 ●錬金術調製物はリンチピンを介して呪文に必要な魔法を維持しています。 ●起動していない錬金術調製物は、それを作成した魔法使いにとっての共感リンクと見なされます。 ●1戦闘ターンに起動できる錬金術調製物は1つだけで、それには単純動作が必要です。 ●起動した錬金術調製物は、あたかも、その瞬間にその呪文が行使されたかのように、【フォース】+【効力】[フォース]でテストを行ないます。 ●錬金術調製物が起動する際のリミットを原質で上げることはできません。原質は、錬金術調製物の作成中に【効力】を上げるためにしか使えません。 ●錬金術調製物は、それが活性化している間だけ二元性を持ちます。このため、アストラル界から起動させることはできません。 ●錬金術調製物に接触していれば、その調製物を解呪することができます。 ●錬金術調製物に込められた呪文が起動したならば、その呪文は他の通常の呪文と同じように、解除したり、抵抗したりすることができます。 ●1つの錬金術調製物に込めることのできる錬金術呪文は1つだけです。 ●錬金術調製物が起動すると、その中に込められていた魔法が放たれます。 ●条件「接触」の錬金術調製物は、それを作成した魔法使いが作業を完了し、接触を解いた以降、魔法使い自身と敵に見境なく影響を及ぼすようになります。これは手榴弾の遅延信管と同じです。 ●接触攻撃が成功した場合と同じく、条件「接触」の錬金術調製物が接触で起動した場合、錬金術調製物からの攻撃を回避することはできず、ただその効果に抵抗できるだけです。 ●錬金術調製物が1マスでも身体ダメージを受けた場合、それに込められた魔法的な効果は失われます。 ●一度起動してしまった呪文は、呪文解除されるか、効果時間が終わるまで、その効果は停止できません。 【錬金術調製物への補足】  上記に加えて、忘れてはならないことが何点か存在します。 ●錬金術調製物の使用には【エッジ】が使えません。 ●錬金術調製物のドレインは使用時ではなく、作成時に発生します。 ●錬金術調製物の効果時間が「維持」であった場合、自動的に【効力】分間(「永続」の場合は永続化されるまで)維持されます。使用者に維持のペナルティはありません。 ■ミスティック・アデプト [Q]ミスティック・アデプトの【魔力】とパワー・ポイントは、4thと異なり、パワー・ポイントを購入したからといって、【魔力】が減少することはない、という理解でよろしいでしょうか。 [A]まず、4thでもパワー・ポイントの購入で、【魔力】は減少しません。アデプト用と魔法使い用に【魔力】を分割して使用するだけです。  5thではこの分割がなくなりました。そして、ミスティック・アデプトはアデプトと異なり、無償でパワー・ポイントが手に入りません。上限を【魔力】として、カルマでパワー・ポイントを購入してください。 [Q]ミスティック・アデプトは、アデプト専用のメタマジックを取得できるのでしょうか? [A]はい。 [Q]ミスティック・アデプトは、キャラクター作成後にパワー・ポイントをカルマで取得できないのでしょうか? [A]キャラクターの成長表にはありませんが、作成時と同様にカルマ5点につき1ポイントのパワー・ポイントを購入できます(最大で【魔力】まで)。 ■《反射強化》 [Q]《反射強化》のパワーは、サイバーウェアの「強化反射神経」やアデプトパワーの《反射増強》と累積するでしょうか? [A]累積しますが、合わせて+4までとなります。 ■マジカルロッジ [Q]マジカルロッジ素材は、【フォース】3のロッジを建てる場合は【フォース】1の素材1つ、【フォース】2の素材1つ、【フォース】3の素材1つが必要になるのでしょうか? さらに【フォース】を上げたい時はどうなりますか? [A]いいえ。【フォース】3のマジカルロッジを作る際には、入手値6、価格1,500新円となります。【フォース】を上げたい時は、差分の素材でかまいません。 ■霊紋 [Q]アストラル投射であれば本人の霊紋があり、召喚された精霊も召喚者と同じ霊紋を持つとあります。アストラル投射や精霊は霊紋を持っているけれど、その場に残すことはない、という考えでよいのでしょうか。残すのであればその時間はどの程度になるでしょうか。 [A]霊紋はアストラル的な指紋で、その魔法的な存在がいた場所に残ります。アストラル投射やアストラル状態の精霊は、アストラル空間に霊紋を残します。精霊は物質化した場合、物理的な空間に霊紋を残します。霊紋は、精霊ならば【フォース】×1時間、アストラル投射した魔法使いならば【魔力】×1時間残ります。 [Q]維持する呪文の場合、呪文行使時に自分と対象に対して霊紋が発生し、維持中は呪文の対象が霊紋を発生しつづけるという認識でよいでしょうか。その場合、呪文をかけられた者が移動した場合、移動経路に【フォース】時間の間、霊紋が残っているということでよいでしょうか。 [A]はい。 [Q]呪文を維持して移動した場合、広範囲にわたって霊紋が残ると思いますが、霊紋を消す動作ではどの程度をまとめて消すことができるのでしょうか。 [A]公式な定義はありませんが、視界内と考えるのがよいでしょう。 ■精霊 [Q]精霊の束縛のドレインの種類(身体・精神)は召喚、放逐と同じで術者の魔力と精霊の【フォース】で比較でしょうか。 [A]はい。 [Q]放逐の際、また、最後の助力で戦闘をしている精霊の助力は0の状態でしょうか。戦闘が終了したときに0になるのでしょうか。前者の場合、助力0の精霊に放逐をしても、すでに助力0だから効果はないのでしょうか。 [A]最後の助力を実行中は1とみなします。完遂した時点で0になり、精霊は自由になります。 [Q]p.305によると「精霊の召喚は複雑動作」「一度に召喚できる精霊は1体だけ」との記載がありますが、この「1体だけ」という制限は、1回の複雑動作で召喚できる精霊は1体だけであり、何度も複雑動作による召喚を行なえば複数の精霊を召喚できるという意味でしょうか? [A]いいえ、召喚しておける精霊は1体だけ(最初に召喚した精霊がいなくなるまでは次を呼べない)です。束縛すると、召喚した精霊の枠から外れます。 ■ホムンクルス [Q]儀式呪文で生み出したホムンクルスは錬金術で呪文を込めることが可能ですか? [A]ホムンクルスにはオーラがありますので、できません。 [Q]ホムンクルスが接触条件の錬金術呪文に触れると錬金術呪文は発動しますか?(生命体が触れると発動とあるので) [A]発動します。オーラのあるホムンクルスは「生命体」相当と考えられます。 [Q]ホムンクルスはコムリンクを介した命令であっても命令を聞きますか? [A]聞きません。ホムンクルスは言語を理解しますが、儀式リーダーのオーラや霊紋で本人かを認識します。 [Q]儀式リーダーから「○○の言うことを聞け」という命令を受けた場合は、別の人から命令を受け付けますか? [A]はい。 ◆装備◆ ■ショックフリル [Q]防具改造のショックフリルで攻撃した場合の性能はどのようになりますか? [A]公式のエラッタは出ていませんが、ショックグローブおよび『Run & Gun』(未訳)で登場するShock Weaveと同じ「8S(e)、AP-5」とするのがよいでしょう。 ■武器、銃器の片手保持 [Q]すべての武器、銃器は片手で保持運用できるのでしょうか? [A]はい。 ■偽造免許(ライセンス)の扱い [Q]偽造免許の取り方がよくわかりません。1つの規制品について所持と持ち運ぶ免許は別なのでしょうか? [A]まず、入手値がRの製品の購入所持には、免許が必要です。  その他、法律で制限されており、免許が必要とされる行為があり、これに、狩猟、探偵業などの特殊な職業、サイバーウェア改造、呪文行使に加えて、銃器を隠し持つ行為があります。 ■サイバーウェアのコムリンク/サイバーデッキ [Q]サイバーウェアとしてコムリンクやサイバーデッキを埋め込む際(p.458~459)、サイバーウェアの等級はコムリンクやデッキに影響しますか? [A]いいえ。サイバーウェアの等級は「コムリンクの価格」「サイバーデッキの価格」部分には影響しません(『Shadowrun Missions FAQ ver 1.3』p.18より)。 ◆キャラクターの成長◆ ■指導者 [Q]キャラクターの成長で複数の技能を一度に成長させる場合(p.105)、常に指導者が必要なのですか? [A]いいえ。「ダウンタイム中に技能のみを~」以下の記述は指導者の有無に関係ありません。 ―――――――――――――――――――― 2019/10/15更新分 ここまで ―――――――――――――――――――― ◆キャラクター作成◆ ■能力値の強化と知識/言語技能ポイント [Q]キャラクター作成時にバイオウェアの大脳強化で【論理力】を強化した場合、そのぶんの知識/言語技能ポイントは貰えますか? [A]いいえ。身体強化等で強化された能力値は、キャラクター作成時の知識/言語技能ポイントに影響しません。 ◆戦闘◆ ■射撃モード(p.163~165) [Q]この行動によって「射撃モードの変更」が可能ですが、切り替えが必要となる「射撃モード」の範囲について教えてください。p.178から説明がある射撃モードは7種類ありますが、この7種類がそれぞれ別のモードとして存在し、動作を使って変更する必要があるのでしょうか。  それともストリート・ギアの装備の表にも含まれるSS、SA、BF、FAの4種類のモードが存在し、セミオート・バースト/長バースト/制圧射撃は各1つ上のモード(セミオート・バーストならSA)のまま複雑動作で射撃可能なのでしょうか。 [A]基本的には後者になります。銃器のモードはSS、SA、BF、FAのいずれかであり、銃器ごとにどのモードに設定できるかが決まっています(例:AK-97であればSA、BF、FAのいずれかを選択)。射撃の際には銃器のモードと射撃モードが一致していなければなりません。セミオート・バーストならSA、長バーストならBF、制圧射撃ならFAのモードになっている必要があります。  PJSS モデル55(p.435)などで「二つの銃身から同時に射撃する」場合、銃器がBFモードを持つものとして扱ってください。 [Q]p.178から始まる各モードの説明では、簡易動作を使って「複数の敵を攻撃する」際に、シングルショット(SS)、セミオート(SA)の項目では両手に1つずつ銃器が必要との説明があります。セミオート・バースト、バーストファイア、長バーストで射撃する場合、1丁の銃で簡易動作を使って「複数の敵を攻撃する」ことは可能ですか。 [A]はい。単純動作でシングルショットまたはセミオートで射撃する場合、銃器からは1発の弾丸しか発射されないため、「複数の敵を攻撃する」には複数の銃器が必要になります。複数の弾丸を発射できるモードでは複数の敵を攻撃することが可能です。 [Q]簡易動作を使って「複数の敵を攻撃する」際の目標数の制限はありますか? p.180「射撃モード表」の「使用される弾丸数」まででしょうか? [A]射撃の場合、使用される弾丸数と戦闘技能の技能値の半分(切上)のどちらか低い方が上限になります(p.196)。複数の銃器を同時に使用する場合、弾丸数は合計します。 ■コンディション・モニター [Q]身体または精神のコンディション・モニターのマスが全て埋められたとき、PCは気絶するのでしょうか? [A]はい。正誤表も合わせて参照してください。 ◆マトリックス◆ ■マトリックス動作 [Q]マトリックス動作は、マトリックス上にある(=グリッドを介してマトリックスに接続している)アイコンにのみ可能でしょうか?  その場合、マトリックスとは接続せず、データケーブルで直結している機器同士の場合(あるいは、ファラデー箱などで外界のマトリックス接続から隔絶された場所にいる2つのコムリンク)は、互いに対してマトリックス動作を行うことはできない、ということでしょうか? [A]マトリックスに接続していない機器に対してマトリックス動作を行なうためには、その機器に直接接続(p.233)している必要があります。  マトリックスに接続せず、直接接続した機器の間でマトリックス動作を行なう際、一部のマトリックス動作(例えば「監視指数を確認する」など)は意味をなさない場合があります。 ■PAN(パーソナル・エリア・ネットワーク)に所属していない機器について [Q]ワイアレス接続機能を持っている銃が落ちているとします。これはどのPANにも所属していません(したがって、マトリックスにも接続していないということになりますし、マトリックス知覚でそのアイコンを見つけることもできないはずです)。  この銃に触れずに発砲させたいと思ったら、どういう手段があるでしょうか? [A]ワイアレス接続機能を持つ機器は、それ自体がPANに所属していなくても単独でマトリックスに接続し、マトリックス知覚や動作の対象になります。  PANから離れた銃には通常通り「機器を制御する」などのマトリックス動作を使用して発砲させることができます。この銃がPANに所属していれば、マトリックス動作に対してマスターかスレーブのどちらか高い方の能力値を使って対抗できます(p.234)。 ■ハッキングと距離 [Q]マトリックス経由でハッキングを仕掛けるのなら、相手の機器がマトリックスと繋がっているかどうか問題であって、距離は(ノイズのことを考えなければ)問題ではない、ということでしょうか? [A]はい。以前の版では【シグナル】によってワイアレス接続可能な範囲が決まっていましたが、このルールはノイズによる修正で置き換えられました。 ◆魔法/魔法使い/アデプト◆ ■戦闘時の接触魔法の使用 [Q]p.289の呪文特性、範囲の項に接触呪文は対象に対して素手攻撃を行わなければならないとあります。  この場合、素手攻撃は複雑動作なので接触呪文を使うメイジの行動を1回使ってしまいます。接触呪文を使う場合(相手に逃げられてない場合)、次の行動を消費して合計2回の行動を使い、接触した相手に接触呪文を複雑動作で呪文行使するという解釈でよろしいでしょうか?  それとも接触呪文を使う際、メイジの複雑動作1回で素手戦闘と接触呪文の呪文行使を同時に行えると考えてよろしいでしょうか? [A]複雑行動1回で、〈素手戦闘〉と接触呪文の呪文行使を行なうものとみなします。この場合、〈素手戦闘〉の結果は「かすり傷」以上であればよく、通常の素手攻撃のダメージは発生しません。呪文の効果だけを適用してください。「ショックハンド」「ショックグローブ」などの併用は不可とします。 ■ミスティック・アデプトのパワー・ポイント [Q]ミスティック・アデプトがキャラクター作成後にパワー・ポイントをカルマで取得できないのでしょうか? [A]キャラクターの成長表にはありませんが、作成時と同様にカルマ5点につき1ポイントのパワー・ポイントを購入できます(最大で【魔力】まで)。 ■錬金術調整物 [Q]錬金調整物のリンチピンに銃弾や矢を使用することはできますか? できるとした場合、発動条件を接触にしたリンチピンを銃や弓で撃ちこみ、呪文の効果を発揮させることは可能ですか? [A]リンチピンにすることは可能ですが、いわゆる「魔法の弾丸」を作成するためには「Forbidden Arcana」(未訳)に収録の《Alter Barristics》の呪文が必要です。またこの際にはシングルショットの武器でしか使用できず、発動条件は「命令」にしなければなりません。  またこのことから、発動条件の「接触」とは調整物をトラップのように設置するためのもので、調整物を銃器や何らかの自動装置に詰めて任意のタイミングで発動させるといった使い方には向かないものと考えるべきでしょう。よりタイミングや対象を限定した錬金術調整物は「Street Grimoire」(未訳)に収録の《Advanced Alchemy》のメタマジックを習得することで作成可能になります。 ■収束具 [Q]エッジ・ポイントを使用してリミットを解除した場合、ヒット数が呪文の【フォース】を越えることがありますが、その場合、収束具の【フォース】をヒット数が越えていても、呪文の【フォース】が越えていなければ維持できますか?  例えば、【フォース】3の《鎧》を【フォース】3の呪文維持収束具で維持する場合、エッジ・ポイントを使うことで、ヒット数が3を越えてもいいのでしょうか? [A]はい。エッジ・ポイントを使用した時だけでなく、原質を消費して【フォース】を超えるヒットを得た場合でも同じです。ただし、呪文解除への抵抗やマナ障壁にぶつかった場合には依然として【フォース】が参照されることに注意してください。 [Q]収束具を購入する際、新円とカルマの双方を支払う必要があるのでしょうか? [A]はい。まず新円を支払って収束具を購入し、その後カルマを支払って結合してください。武器収束具の場合は、も元とになる武器の価格の新円も支払ってください。これはキャラクター作成時でも作成後でも同じです。 ◆装備◆ ■偽造免許(ライセンス)の扱い [Q]p.370によるとRがつく品物1つごとに免許が必要とあります。例えば、AK-97や強化反射神経などがRに該当するので、「偽造免許[AK-97の所持]」「偽造免許[強化反射神経の所持]」のようになると思えます。  しかしアーキタイプを見ると「小火器の隠匿携帯と所持」や「サイバーウェア所持」となっており、品物ごとになっていません。また小火器については「隠匿携帯」と「所持」が1つになっています。このようにある程度グループでまとめるのもありなのでしょうか? [A]厳密には、法域によって必要な免許は異なり、その判断はGMに一任されています。例えば、現実の北米では銃器の所持許可証の他に、隠し持つ際に隠蔽携帯(concealed carry)許可証が必要になる場合が多いようです(州ごとに異なります)。こうした判断が難しい(または面倒くさい)場合には、単純にRのついた装備1つごとに免許が必要として下さい。 ■コムリンクのホットシム対応の入手値 [Q]p.445のコムリンクの表を見ると、「ホットシム対応」の入手値が「+4F」となっています。  これは元のコムリンクの入手値が+4された上に「禁止(F)」になる(トランシス・アヴァロンなら12Rから16Fになる)という意味でしょうか?  その場合、p.124のアーキタイプ「ドローン・リガー」がトランシス・アヴァロンのホットシム対応をしているのは正しいのでしょうか?(初期作成PCは入手値12までのものしか持てないはずです) [A]はい。アーキタイプのデータは一部キャラクター作成ルールに適合していない部分がありますが、セッションではそのまま使用しても問題ありません。それでも気になる場合はコムリンクを下位のものに置き換え、差額を開始時所持金に加えるなどしてください。